映画

【ネタばれあり】近畿地方のある場所について

mochi-duki999

「近畿地方のある場所について」という映画を見てきたので、備忘録もかねて記載しておく。

なお、ネタバレ全開で書いているため、未視聴の方でネタバレNGの方はブラウザバックでお願いしたい。

結論的に言うと、途中まではめちゃくちゃ怖い。劇場を出ようというのが一瞬よぎったほど。ただ、恐怖感は最後失速してしまったかなという印象。

コズミックホラー的な側面もあるので、好きな人はとことんのめりこむと思う。

私は微妙なところ。伏線を確認したいのでもう一度見たい気持ちもあるが、うーん。

原作の小説はこちらから。単行本版と文庫版で若干違いがあるらしいよ。

どんな映画?

2025年8月8日公開。(8/11現在、劇場で上映中)

菅野美穂と赤楚衛二主演。

ストーリは、オカルト系雑誌の編集者である主人公が、消えた前任者の残した資料をもとに、協力者と共にとあるオカルト事件の全貌を追っていくという話。

前任者が集めた資料という体で、ドキュメンタリー風の映像を見て怪異の存在を追っていくにつれ、魅入られ、誘い込まれていく様を描いたホラー映画。

なぜ見に行こうと思ったか?

夏だし、ホラー見たいなー、読みたいなー、という欲が沸き上がったことと、なぜか外に行きたいという欲求が爆発した結果。

少し前に、「ゾク 怖い間取り」を見に行って、あまり怖くなかったので。ちゃんとしたホラーを摂取したいという思いから。

あとは、原作がとても話題になっていたので。まだ読んでいないんだけどね。

映画に関しての考察

構図としては、二人の母の対立。二人の母が、それぞれ取り戻したいもののために、赤楚演じる小沢を取り合っている、という形。

劇中に、怪異は3体出てくる。

1つは女性を山へ誘うもの。

2つ目は赤い服の女、3つ目は首が後ろに曲がった少年。

1つ目に関しては映画最後で出てきた白い無数の手を持つナニカが本体だという。では、あの黒い石は結局何だったのだろうか。

映画視聴特典の書下ろし短編には、隕石について言及してある。

これは、やしろさまとあの黒い石が地球外生命体であることを示唆していると考えられる。

やしろさまの目的は、おそらく繁殖。まさるの昔話及びカルト教団、山からの呼び声に連れていかれた子供など、集められるのはみな、女性ばかりだ。

了の母親は、自殺した息子を取り戻すためにやしろさまに願った結果、怪異になった。

千紘は、殺された自分の息子を取り戻すためにやしろさまに願った。

了と了の母親が幽霊のような形であるのに対して、千紘の息子は無数の手を持つ、やしろさまに似た姿で現れた。

これは想像だが、もしかしたら、了は失敗作で、千紘の息子が成功パターンなのかもしれない。

となると、最後に小沢が取り込まれたあの黒い石は、繁殖装置のようなものなのだろうか。別の命を取り込み、新たな命に変換して出力する。そんな、どこか無機質なものに感じられた。ブラックボックスっぽさもあるなと感じた。

こうやってやしろさまは我々の星に深く根差し、人を養分としながら、自分の特徴を持つものを産み出し、徐々に自分と同じモノを増やしていくのだろう。

この物語は、人ではないナニカが、我々を侵略していく様の一端を恐怖とともに描いた作品であると、私は捉えている。

感想

いや途中までは本当に怖かった。モキュメンタリー映像がとにかく怖い。

ほとんど全部怖かったけど、突撃系配信者の映像が本当に怖かった。

ちょいちょい怪異が映り込むのもそうだし、コメントで誘い込む文言流れているのも怖い。最後の方は残念ながら気づけなかったんだけど、「〇〇へ行け」のコメントが流れているのを見つけたときには、思わずゾッとした。

しかし、「見つけてくれてありがとう」って、どういうことなんだろうね。とある情報までたどり着いたことによって、怪異たちによる追跡スイッチが入るってことなんかね。そこがちょっとまだしっくり来ていないのです。

原作読めばもう少し落とし込めるのかな。

首吊り屋敷の映像でいうと、写真は本当に反則だと思う。構えていたにもかかわらず、肩がびくって跳ねてしまったよ。。。あんなんあかんて。

あと、モキュメンタリーが当時の映像っぽく加工されていることもあって、非日常な現象のはずなのに、妙なリアリティがあった。恐怖が自分が今いるこの現実と地続きであるという感覚がずっと続いていて、それも恐怖感をあおった一因だと思う。

途中で、なんとなくこういうことなのかな?っていう答えは自分の中で導き出せるのだけど、明確に描かれているわけではない。その正体不明さがまた、恐怖感をあおっているように感じた。

ただ、個人的に残念だなと思ったのが、失踪した前任者に実際に会いに行くって部分から、解決編というか、地に足がついてしまった。怪異に、説明がついてしまった。

おまけに最後のシーン。怪異の姿が明確に描写されてしまったことで、めちゃくちゃ拍子抜けしてしまった。くっきり見えちゃってるのがなんか、安っぽく思えてしまった。

石が現れたあと、全体像は見せずに引き込まれる映像だったらよかったのかな。。。

個人的にはこういうホラー系は、解決させずに「どういうこと!?これであってんの!?」ってもやもやして終わるのが一番楽しいと思っているのかもしれない。

一つの気づきが得られたね。

まとめ

総合的な評価は星3つかなと思う。

原作の小説を読んでから視聴すればまた違う印象になっていたかもしれないと思うので、今読んでいるところ。

怖かったか怖くなかったかでいうと、途中まではガチこわなので、心臓弱い人は注意。

次は「来る」を見ようかな。

ここまで読んでくれてありがとうございました。

ABOUT ME
望月
望月
フリーランスエンジニア
読書とゲームをこよなく愛するフリーランスエンジニア。 ミステリーとホラーが好き。 技術書と小説のアウトプットをする場としてブログに挑戦中。
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